なぜ最近のゲームは開発が遅延するのか?

最近、スマフォゲーム、コンシューマーゲームPS4やSwitch)

の大々的に宣伝しているゲームが告知から数年たっても発売されない

販売日延期を繰り返しているというお話が多々耳にすると思います。

 

それらの遅延する理由、ゲームが完成しない理由は多々あると思いますが

今回は遅延する原因として考えられるものをいくつかご紹介します。

 

そもそも開発する物量や開発期間の見積もりが甘い

 

1年とかね(笑)

例えば某大手の大作シリーズOO15とかは開発に10年かかっているとか?

ゼル〇のオープンワールドゲームは開発に4年かかっているとか?

実際のところはどうかわからないのですが、有名なゲームはオープンワールドゲーム

や大作オンラインRPGなどに関係なく開発に数年かかっているという話はよく聞きます。

 

それらと肩を並べるようなゲームを開発しているのに

そもそもの開発期間が1年や2年程度なんてことはざらにあります。

当然予算(金額)もそれくらいしか想定していないため、途中から人数を追加したいと

いわれても「無理!」と断られるなんてこともよくあります。

 

ゲーム開発に関係なく大規模なシステムは開発に下手すれば3年以上かかる可能性がありますが、「開発に3年かかる(それまで何の利益も生み出しません)」

となると企画が通らなかったりするので聞こえがよく、また現実的な期間?である

”1年”を標榜して開発がスタートすることはよくあります。

 

まぁ、現実を見てほしいですよね....

 

仕様(デザインやゲームシステム)が頻繁に変更・追加される

 

このブログではプランナーのことを一般人とディスりまくっていますが

仕様を決めるプランナー達が実際に何をどう作りたいのか、どのようなものを作りたいのかを決められない場合が多々あります。

 

これはプランナーだけが悪いということではなく、そもそもの話

漫画、小説、映画、アニメ、デザイン、どんな工業製品に関してもいえることですが

ストーリー、作りたいものを言い出して、具体的なところまで説明、アイディアを

ひねり出せる人って、そうはいないと思います。

それこそAKB48作って、歌詞も作りまくっている秋元先生や

ドラゴンボールドクタースランプ以外の作品も多々生み出している鳥山先生

とかあんなことができる人たちってそうはいません。

 

そこに持ってきて、依頼してくる会社からのあいまいな要望

(超大作ゲームを参考にして(真似して)ゲーム作ってくださいとか)

プランナーが一生懸命考えた仕様をディレクターが突然ちゃぶ台返しする

(もちろん否定して、有名なゲームを引き合いに出すだけで、具体性はない)

などでプランナーのモチベーションや考える主体性はどんどん失われていきます。

 

ゲームのストーリー数(章、面数やクエスト数)、メニュー数、キャラ数

アイテム数、システム数(特殊なレベルアップシステム、攻撃システム...etc)

が増えれば増えるほどこの問題は大きくなってきます。

 

また作成している途中でデザインやプログラミングする機能の変更がされるのも

厳しいですが、開発の依頼元会社のプロデューサーやディレクター、ましてや

プランナー各人の思い付きによる機能追加が起これば人手不足や作業量の増加

考えることが多くなることによる集中力の低下は著しくモチベーションの低下は

はかり知れません。

 

ゲーム内容が複雑

 

先に挙げた問題にも共通しますが、昨今のゲームでよく見かけるしようとしては

以下のものがあると思います。

 

・同じアイテムが異なるキャラにも装備可能

 (武器A、防具B、衣装C、攻撃スキル(モーション)D)などを

 異なるキャラX(イケメン主人公)、Y(背の低い女性キャラ)、

 Z(背の高い巨漢デブキャラ)にも装備可能)

 

・上記の装備変更を、アイテム管理をするための複雑なメニュー

 (そもそも最近のゲームはメニュー数が多い)

 

・不要なアイテムや装備の数々

 (すぐに新しい装備が手に入ってごみになるのに異様に種類が多い。

  その割に初期のドラクエのように思い入れが強い装備が全くない)

 

・不要なフリー、サブクエス

 (面白くないお使いクエストが無駄に量が多い。

  はっきり言ってプレイヤー視点からもいらない)

 

オープンワールド

(ゲーム内のマップが連続していてゲーム内のリソースのリセットがしづらい)

 

これらを実現するのはほぼ量に比例して開発期間と人員が必要です。

(つまりその期間内の人員の給与と会社の維持費などが発生する)

 

例えばアイテムの種類を考えるだけでプランナーの工数が発生して

複雑なメニューの仕様書を書く時間が無くなります。

 

サブエストも同様です。プランナーの考える時間をどんどん奪っていきます。

また仕様が増えればそれらを実装するプログラマの作業、デザイナーの作業

(アイテムの見た目=メニューの2Dアイコン、3Dモデル)なども

増大していきます。

 

解決策としてはディレクターが依頼元の会社を説得して

優先度S(これがないとゲームが成立しないレベル)だけを残して大幅カットする

英断を下す必要がありますが、ディレクターは依頼元のプロデューサーの言いなりで

しかも仕事していない(何も考えていない)ので量だけが無慈悲に増えていきます。

 

ノウハウがない会社やチームが開発している

 

例えばゲームは開発したことがあるが

携帯ゲーム機(3DSスマートフォン向け)の開発経験しかなく

しかも複雑なクエストやRPGのシステム(アイテム数が多く、またストーリーも

一から十までザックリでも思いつかないレベルでやったことがない)

会社がいきなりPS3を飛ばしてPS4用のゲームを開発する。

しかもオープンワールド(笑)

しかも主人公は飛べます(笑)

 

もうあきらめてください....

 

開発チームのモチベーションが低い

 

ゲーム会社は楽しいし、ゲームを作るのも面白いから

開発メンバのモチベーション(やる気)は高いと考えている方は多いと思います。

 

残念ながらゲーム会社で働いている大半の人は専門学校時代から

エンタメ系の進路を進み、ゲーム会社に新卒で入社しているので

ゲーム作りに関するモチベーションが高い人が多くない場合もあります。

 

専門学校の時点でなぜかモチベーションが打ち砕かれている人もいるくらいです。

 

ベテラン社員ともなればなおさらで、好き勝手なことばかり言う仕事しない

ディレクターがゲームを汚し、残業と、徹夜と休日出勤で体力を消耗した結果

ゲームに対する熱意が失われて「ゲームが作りたい」とさえ口に出して言えない人も

多々います。

(もちろん「ゲームが作りたい」とはっきり言えるモチベーションが高い

人もいます。)

 

ゲーム開発は戦いです。モチベーションが低い状態で勢いを失った仕事の仕方では

絶対に成功、ましてや完成させることすらできません。

 

開発用のエンジン(UE4、Unityなど)を間違えた

 

UE4やUnityを選べば大抵のものは完成するでしょう。

ですが、実際のところはそれ以外の開発エンジン(開発環境)を用いて

ゲーム開発することも結構あります。

 

開発環境が違えば、3Dモデルを表示するだけでも苦戦するほどです。

(経験豊富なプログラマー、デザイナーでも苦戦する場合があります)

 

というのも開発環境が違えば、3Dモデルや2D画像リソースのファイル形式

や実装方法が異なるためです(3DでMaya、2DではPhotoshopから吐き出した

ファイル形式をさらに別のデザイン編集ツールで加工する必要がある。)

 

また3D描画エンジン、ゲーム開発環境によって、得意・不得意があります。

 

例えば、最近のゲームでは人型の3Dモデルに対して、頭、顔、腕、胴体、足

などが分割されて装備や見た目を変更することができたりしますが

それに対応した仕組みがない3D描画エンジンを選んでしまったのに、部位ごとの

装備変更の仕組みがゲームの仕様として想定されていれば開発するのに

かなり厳しい状況になります(エンジンに機能追加する必要がある)

 

また提供するゲームのプラットフォーム(PC、PS4、Switch、スマートフォン

によっても得意・不得意があります。

 

例えばスマートフォンではゲーミング用のスマートフォンでも

一度にメモリに乗せられる容量が圧倒的に小さいです。

(1GBとか。設定すれば増えますが)

 

ですがUE4のようにデフォルトで高品質な3Dモデルを表示するのに特化した

エンジンだと、アセットストアから落としてきた3Dリソースを使って工数

削減しようにも、かなりの3Dリソース(ポリゴン数、テクスチャ解像度の削減)

が必要になります。

 

今言った話だとUE4スマートフォンゲームの開発に向いていないように聞こえますが

もちろんUE4でも高品質3Dモデルでの大作実績は多々あると思います。

ですがそれは熟練した企業とチームによるもので、例えばUnityでのゲーム開発実績は

多々あるがUE4での開発実績は初めての会社にはかなり荷が重いと思います。

 

 

 

開発が遅延する原因としてはまだまだ思いついていないものがあると思いますが

私が経験した中ではここで紹介したものが原因として大きかったように思います。