ディレクターの暴走について
ゲーム開発においてディレクターというものを一言で表現するのが
難しいです。
というのも、ディレクターというのは案件のプロジェクトリーダー
みたいなものです。
実際に手を動かすして作業するということはありません。
ぶっちゃけコミュニケーションがあるメインプランナーかメインプログラマーが
いればディレクター(指揮者)をあえてプランナーとプログラマーとは別に
用意するのは無意味でしかありません。
それ以外は以下の仕事があると思います。
ざっくりいうとプロジェクトの運営です。
・プロジェクトの予算の管理や人員のアサイン
・スケジュールの管理
・先方とのやり取り(先方からの要望を聞いたり...etc)
・ゲームを文字通りディレクション
(オーケストラの指揮者のように面白く、よいゲームになるように仕様や開発に関して導く)
ディレクターに最も必要な資質、それは
「現場を理解していないのに下手なコントロールや口出しをしない」
ということだと思います。
ですが下手なディレクターの場合は自分が仕事ができるクリエイター気質だと
勘違いしやすい傾向があります。
いかに私が経験したディレクターの暴走発言や行動を紹介します。
3D空間の”空の雲”や影ばかり気にする
正直ゲームで”空の雲”や”キャラの落ち影”、”建物などの影”を気にしている
プレイヤーはどれだけいるでしょうか?
そもそもプロジェクトが行き詰っている状況で細かい優先度の低い物事を
気にする人にプロジェクトを完了させることは難しいです。
時間を割いて作った機能の出現状況を厳しく設定しすぎて、プレイヤーがその機能を目にすることはない状況を作り出す
これも書いててすごいなと思ったのですが、ゲームにおいて隠し要素でもない
基礎的な機能というものは、コントローラーを適当に動かしても偶発的に
発動するぐらいの発生状況の緩さがないと厳しいのですが、
下手なディレクターの場合は、時間を割いて作った機能を取っておきにしたいのか
発生条件を何重にも重ねないと発生できないようにすることが多いです。
具体的にはスマフォ案件のアップデート機能がステージを100階層までクリアしないと実行できない(キャラやアイテムが手に入らない)とかだったり....
あとはアイテムやキャラクターの合成素材がおよそ普通にプレイしていたても
手に入らないものだったり...
プロジェクトメンバが必死で作ったものを
「〇〇の条件を満たさなかったら俺(ディレクター)が見る(プレイ)価値もないから」と傲慢なことを言い出す。
仕事なんだから勝手に判断基準を設けずに現状のゲームの実装状況を確認してください。
ディレクターが見ないのならばいったい誰が確認して修正指示を出すのでしょうか?
勝手に仕事放棄しないでください。
「学生レベルですか?」と平気でののしってくる
下手なリーダーはメンバのモチベーションを下げるのがとても上手です。
会議でメンバを長時間拘束する割には肝心な先方からの情報共有を湾曲して伝えたり
そもそも全体連絡すべきことを共有しない
ゲーム業界のディレクターに限った話ではないですが、無能な上司や社長などは
会議の場を独演会にして、メンバに意見を発言させないことが多いです。
その割には会議が時間通りに開始されないと「これだけの人数が集待っている会議で
会議の始まりが遅れると、どれだけの工数が無駄になっているか考えたことが
あるのですか?」とメンバを叱責する
コロナの状況でも狭い会議室に平気で人を集めて会議しようとする
もう笑うしかないw
クリエイターぶって何回もデザインのリテイクを出すが、他の有名ゲームの
猿真似でしかない
大抵の場合ディレクターはプランナー上がりの人が多いです。
本などを見る限りプログラマーやデザイナー上がりのディレクターもいるらしいですが
仕様を考える都合上、やはりメインプランナーからディレクターに上がっていく
キャリアパスのほうが多いと思います。
そうなってくるとディレクターがデザインに関して口を出すのは
よほど間違ったデザインでない限り止めておいたほうがいいと思います。
リテイクを具体的な修正案もなしに何回もさせる上司というのは
スケジュールを考慮せずに(リテイクによる追加工数を考慮せずに)
悠長なことを言いながらリテイクを出す場合が多いので
下流工程の3Dデザイン(モデリング)や3Dデザインを持って実装する
プログラム工程の遅延に大きく影響し、結果的にゲーム完成の遅延を
招いてしまいます。
以上思いついたよくいるディレクターの悪い例をご紹介しましたが、
ディレクターに不満があり、それが原因でゲーム会社を去るという方は
多いのではなかと思います。