私がゲーム会社を辞めた理由

つい最近、長年プログラマーとして働いていたゲーム会社を退社しました。

 

この記事はこれからゲーム会社に入社して働きたいという人に

「そういうことがあるんだな」という前提知識を共有して欲しくて書きました。

 

退社した理由がいくつかあるので箇条書きで書きます。

 

 

理由1:仕事の量が多くてやりきれないのにプレッシャーばかりかけられたから

 

一番の理由はこれです。その案件は毎月検収(※)で開発費が支払われるのですが、

その毎月の検収物が多いわりに、実際にはそれに見合った開発人数がアサインされていませんでした。つまり、少ない人数で開発するために、一人で複数の機能を同時開発することを迫られたりしました。

 

会社の仕事なんてまじめにやらなくてもいいじゃんと思われるかもしれませんが

私はフリーランスとして会社と個人契約していたため毎月の検収の成果物を上げられずに責任を追及されて損害賠償などを求められる可能性もないわけでもないので

けじめとして無理な仕事は請け負わない(その会社との契約を切る)ことにしました。

 

(※)毎月検収とは

開発を依頼した会社がゲームをすべて完成した際にお金を支払うのではなく、

毎月お金=開発費を分割して支払ってくれる。

その代わり、依頼した会社=先方にあらかじめ提示しておいた

「いついつまでにゲームのこの機能は何月までに実装する」という

スケジュールを厳守する必要がある。この約束したスケジュール通りに機能が

実装されていないと毎月の開発費が支払れないため、ゲーム開発を受託した会社

は無理のないスケジュールを先方に約束して、かつそれを厳守しなければならない。

開発がスケジュール通りに進まずに毎月の支払いが滞るということは、

個人でいえば、今月の支払われる予定だった給与が支払われないため生活が

できなくなる。企業だと会社の運営資金に充てる予定だったものが支払われないため

経営が苦しくなる。

 

理由2:大型案件だったはずなのに必要な人員が追加されなかった。

 

先方からの支払は十分な額が支払われているはずなのに

開発するゲームの規模に見合わない少ない人数での開発をするという事態になりました。

(会社の経営状態はメンバにはわからないため支払われていたという予想で話します)

理由1と内容はかぶりますが、こちらが複数の作業を同時進行で行わねば

ならないのにもかかわらず上司はプレッシャーばかりかけてきて追加のメンバを

補充することはかたくなにしてくれませんでした。

 

どうも噂では会社の経営状態がよろしくないために、先方からいただいた開発用の

お金を会社の運営費(銀行からの利息の返済など?)に充てていて、実際のゲームの

開発のためにお金が使われていなかったように思います。

 

理由3:ディレクターの言っていることが現実味がなく、イカれているように感じた。

 

ゲーム会社で仕事をしている中での不満としてよくあるのがディレクターへの不満

だと思います。例にもれず辞めるきっかけとなった案件でもディレクターの傲慢な

発言が神経を逆なですることが多々あり、これも不満の一つでした。

 

例を挙げると、開発していたゲームは初期のドラゴンボールやワンピースのような

ガキっぽい性格の熱い性格の少年主人公が活躍するゲームだったのですが

「女の子にもてている感じがしない、俺(操作しているプレイヤーキャラ)

 が最強な感じがしない。

 いかにもゲームをやっているという感じで不愉快です

 (没入感を感じないという意味らしいです。)

 

 学生が作ったゲームみたいですね。これを見て何も問題点を感じないのですか?」

 

というようなことを言われたので、正直頭に来ました。

 

まず冒頭の「女の子にもてている感じがしない」という理由でそのディレクターは

不愉快に感じたようですが、このゲームの主人公は少年系熱血主人公なので

昨今はやっている「なろう系」の「俺つえー。しかもパーティメンバは全員女の子で

みんな主人公が好き」という系統のストーリーではなかったので、いったいどこから

この不満が出てきたのか....正直頭がおかしいんじゃないだろうか?現実でもてていない

不満を口にされてもゲーム開発と関係ないじゃん!と思いました(笑)

 

まぁ、ほかの「最強な感じがしない」とか、「いかにもゲームをやっている感じが

して不愉快」とか「学生が作っているゲームですか」とかにも言いたいことは

いろいろあるのですが、正直これに関しては話が長くなるので省略します。

 

理由4:メインプログラマーの理想論が激しく現実と乖離している。

 

これはプログラマーあるあるだと思います。

メインプログラマーがソースの作りや書き方などにとやかく口を出してくるのですが

実際にどう改善すればいいか具体案があるわけでもなく、また正直それほど影響度が

高く、開発効率やソースの効率が上がるわけでもない指摘を、無理な人数と制作期間で

回している中であれこれ言われるのは正直苦痛でしかないです。

 

はっきりと開発の邪魔にしかなっていません。

 

この手のタイプ(ソースの書き方。改行コードや美しさ?に異常なこだわりを持っていて

しかも他人にも強要してくるタイプ)のプログラマーはソースの不必要な指摘や

一般的なプログラミング知識(本やインターネットドキュメントで習得できるレベル)

にはうるさいですが、納期の範囲内で仕事を終わらせたり、

実際に機能を開発できる人はまずいないと思います。

現実を見ていたら正直ソースの美しさ

(しかも機能に関係ないレベルの改行や関数や変数の命名など)

は粗末ごとでしかありません。

 

理由5:プランナーが細かい要求ばかりしてくるのに具体的な仕様もアイディアも考えない。

 

ゲーム会社のプランナーは正直無能な人が多いです。

(プランナーの皆さんには申し訳ないですが)

 

優秀なプランナーもいるにはいますが30人いて1人いる程度だと思います。

残りのプランナーはデザイナーのスキルもないし、かといってプログラムも

やりたくないがゲームというエンターテイメントには仕事としてかかわっていきたい

という理由でプランナーになった人が多い気がします。

 

プランナーの一般的な問題点や不満は省略しますが、複数の作業をやっていて忙しい中

で頻繁に

「この機能はどうやったら実現できるでしょうか?いつまでにできそうですか?」

と聞かれるのは本当にうっとおしかったです。

 

逆にこちら(プログラマー)から「ではクエスト(ストーリー進行)の機能を実装した

いのでそのための登場人物たちのセリフや画面に表示するクエスト名を考えてください(教えてください)」

といっても「まだないです(考えていないです)」と言ってみたり(具体性がなさすぎる)

Excelのデータテーブルを用意してください」

(データテーブルの入力、管理はプランナーの仕事)

と要求してもその点に関してはなぜかプランナーはやりたがらなかったりします。

 

要は要求だけしてやりたいことの具体性も、実作業もできない人がプランナーには多く

今までの仕事でもかなり不満ではありましたが、キャパシティを超える仕事では

かなり不満点として大きかったように思います。